GoDaddyとKinstaの比較
GoDaddyは、ドメインレジストラおよびホスティング会社。特にドメインレジストラとしては、世界最大企業の1つであり、2016年以降は、日本をはじめとするアジア市場にも事業を展開しています。こちらのページでは、ホスティングサービスの乗り換えをご検討中の方のお役に立てるよう、GoDaddyとKinstaのWordPress専用マネージドホスティングの機能と特徴を取り上げ、詳しく比較していきます。
GoDaddyの概要
GoDaddyは、1997年に米国のアリゾナ州で創設されたドメインレジストラおよびホスティング会社。WordPressだけに留まらず、さまざまなホスティングプランをお手頃な価格で提供しており、人気を集めています。また、米国の企業でありながら、日本を含め、世界中のユーザーを視野に入れ、公式サイトやカスタマーサポートの多言語対応も。これは、KinstaとGoDaddyのどちらにも該当しますが、サービスを日本語で利用できるというのは、大きな安心材料になります。
その一方で、GoDaddyは、条件や機能、そして価格設定は、やや複雑です。というのも、プランに付帯する無料機能を売りにしていますが、掘り下げると、制限や注意事項があるためです。より充実した機能や柔軟性を求めて、GoDaddyの代替サービスを検討している方は少なくありません。
GoDaddyとKinstaの機能
それでは、早速両者の主な機能を比較してみましょう。一目で把握できるよう、簡単な表でまとめてみます。
Kinsta | GoDaddy | |
---|---|---|
プラン価格 | 35ドル〜/月(4774.32円〜)[2023.5.17時点] 年払いで約29ドル〜/月*1 | 12.99ドル〜/月 |
返金保証 | 試用期間として全プランで30日間(新規アカウントのみ) | 30日間(年額プラン)または48時間(月額プラン) |
プランの種類 | 10(+カスタムプラン) | 3 |
年中無休のサポート | すべてのプラン(24時間対応) | 一部プランのみ |
コアインフラ | GCP | Amazon AWS |
SSH接続 | 全プラン共通 | 一部プランのみ |
グローバルデータセンター | 東京と大阪をはじめとする35箇所(サイト毎に選択可能) | 9箇所 |
帯域幅制限 | 制限なし(AUP内) | 測定なし |
コンテナ技術 | 全プランで100%のリソース分離 | 表記なし |
無料のサイト移行 | すべてのプラン(エンジニアが対応)*2 | すべてのプラン(自動)※サポート付き移行は99ドル |
ステージング環境 | すべてのプラン | 一部プランのみ |
PHPバージョン | PHP 8.0, 8.1, 8.2 | PHP 7.4, 8.0, 8.1 |
無料のCDN | 260+以上のPoP(全地域) | Ultimateプランのみ |
無料のSSL証明書 | すべてのプラン | 一部プランのみ |
死活監視 | すべてのプラン | ManageWPの有料アドオン(Proプランでは無料) |
リソース制限 | ワーカープロセスの制限 | プランにより異なる |
マルチサイト | Proプラン以上で利用可 | cPanelのみ(マネージドWordPressホスティングは対象外) |
MySQLデータベースの自動最適化 | 週1回 | X |
IPジオロケーション | ✓ | 表記なし |
リバースプロキシ | ✓ | VPS /専用のみ |
Redisアドオン | ✓ | 表記なし |
New Relic(要ライセンス) | ✓ | 表記なし |
多言語対応 | 日本語、英語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、ポルトガル語、イタリア語、フランス語、スウェーデン語、デンマーク語 | ✓ 管理画面による(cPanel、Pleskなど) |
*1 年払いに割引が適用され(350ドル/年〜)1ヶ月あたりの料金は29.16ドル(端数切り捨て)となります。
*2 サイト移行はお客様による申請によりご利用いただけます。移行には標準版に加えプレミアム版もご用意しています。
GoDaddyとKinstaの機能の解説
以下、上記の表で確認できる両者の違いをさらに掘り下げてご紹介していきます。
- Kinstaでは世界35箇所、GoDaddyでは9箇所のデータセンターを提供しています。
- Kinstaのホスティングプランには、無料のCDNとプレミアムDNSが付帯しています。GoDaddyには、どちらの機能もありません。
- 他社からサイトを移行する際、GoDaddyの場合は、自動の移行機能(無料)を利用して自分で作業を行うか、サポート付きの移行サービス(99.99ドル)を利用することになります。Kinstaの場合は、プランを問わず、エンジニアによるサイト移行サービスを無料で利用できます。
- Kinstaでは、WordPressサイトに特化した独自のコントロールパネル「MyKinsta」を提供しているため、サイトの管理が容易です。GoDaddyの場合は、LinuxプランにはcPanel、WindowsベースのプランにはPleskを採用しています。
- Kinstaでは、すべてのサイトでMySQL最適化が自動的に毎週実施され、データベースのパフォーマンスが常に最適化されます。これは、WP Engineにはない機能です。
- GoDaddyでは、手頃なスタータープランを選択しても、速度とパフォーマンスの最適化に必要なツールを使用するには、上位のプランへのアップグレード、または高額なアドオンの購入が必要に。これについては、契約前に事前の調査を行うのが賢明です。Kinstaでは、スタータープランからエンタープライズプランまで、最適化に必要な機能がすべて同等に付帯しています。
- ステージング環境は、GoDaddyの場合、一部のプランのみ利用可能です。Kinstaでは、すべてのプランで追加料金なしで使用できます。また、必要に応じて有料のアドオンを追加すれば、最大5つまで追加可能です。
- GoDaddyには、毎日の自動バックアップと、単体の有料ウェブサイトバックアップサービスを提供しています。また、バックアップはワンクリックで復元することも。ただし、本番環境のバックアップをステージング環境に復元することはできません。Kinstaでは、毎日の自動バックアップ、毎時(任意)、手動、システム生成、ダウンロード可能、そして、Amazon S3またはGoogle Cloud Storageに自動送信される外部バックアップ*の6種類が利用可能です。また、バックアップはステージング環境にも復元することができます。
- Kinstaでは、すべてのプランでリバースプロキシをサポート。GoDaddyでは、LinuxベースのVPSと専用サーバーでのみ利用可能です。
- GoDaddyでは、Let’s EncryptのSSL証明書の設定が極めて困難です(Let’s Encryptが非推奨)。日々の業務に追われている方にとっては、貴重な時間の損失になりかねません。代わりに、GoDaddyでは独自のSSL証明書を提供しています。Ultimateプラン以上で無料、それより下位のプランでは、年額79.99ドルで利用可能です。Kinstaでは、Let’s EncryptのSSL証明書がすべてのプランで無料で利用でき、手動での設定も不要です。
- GoDaddyには、WordPressサイトのローカル開発ツールとの統合機能がありません。このため、WordPressサイトを複製し、直接サーバーに反映することができません。Kinstaでは、独自のローカル開発ツール「DevKinsta」を提供しており、ローカルにプロジェクトを複製して開発し、Kinstaの本番サイトに更新を反映することができます。さらにマルチサイトにも対応しています。
- GoDaddyのカスタマーサポートは充実しており、多言語対応で、電話およびチャットでのサポートを提供しています(一部言語は特定の時間帯のみ)。チャットは24時間年中無休で利用可能ですが、サポートの範囲に制限があり、例えばアプリケーション設定の構成や、サードパーティのSSL証明書のインストール(不可)などは対象外です。Kinstaのカスタマーサポートは、WordPressに精通したエンジニアのみで構成。24時間年中無休のライブチャットは、すべての利用者向けで、平均応答時間は2分未満を記録しています。また、日本語をはじめとする多言語サポートも用意しています。
- Kinstaのすべてのプランで、無料のCDNが利用できます。GoDaddyでは、Deluxe、Ultimate、およびExpressプランでのみ利用可能です。
* 外部アップロードは有料のアドオンを追加してご利用いただけます。
パフォーマンスのベンチマーク(スタータープラン)
最後に、両者のパフォーマンスの違いを比較できるよう、Review Signalのパフォーマンスベンチマークの結果をご紹介します。このテストでは、同じプラグインをインストールしたWordPressダミーサイトが使用されています(ただし、各会社固有のキャッシュメカニズムは異なります)。
WebPageTest.orgを使用して、11箇所の場所から全体の読み込み時間(ファーストビューのみ)を秒単位で測定しました。数字が小さいほど高速です。
| Kinsta | GoDaddy |
---|---|---|
ダラス | 0.544 | 0.813 |
デンバー | 0.984 | 1.178 |
ロサンゼルス | 0.938 | 2.682 |
ロンドン | 0.978 | 1.663 |
フランクフルト | 1.056 | 2.087 |
モーリシャス | 2.303 | 3.678 |
シンガポール | 1.714 | 2.995 |
ムンバイ | 1.999 | 3.335 |
東京 | 1.261 | 2.341 |
シドニー | 1.55 | 2.497 |
サンパウロ | 1.394 | 2.555 |
いずれの地域でも、Kinstaの方がGoDaddyよりも高いパフォーマンスを記録しています。
続いては、稼働率のテスト結果です。これは、UptimeRobotとStatusCakeの2つのサービスを使用して実施されています。結果は以下の通り。これには、大きな差が出ています。
| Kinsta | GoDaddy |
---|---|---|
Uptime Robot | 100% | 43.25% |
StatusCake | 100% | 78.02% |
次に、負荷テストの結果を見てみます。このテストは、15分にわたって1~1,000名の仮想ユーザーを使って実施されています。エラー数の上限は5,000。サイトがフロントページからキャッシュしているかどうかを検出し、キャッシュシステムのパフォーマンスを測定します。
| Kinsta | GoDaddy |
---|---|---|
リクエストの合計数 | 301,610 | 272,051 |
エラーの合計数 | 0 | 0 |
データ転送(GB) | 16.76 | 15.19 |
ピーク時の平均読み込み時間(秒) | 619 | 893 |
ピーク時の平均帯域幅(Mbps) | 283 | 255 |
ピーク時の平均RPS(リクエスト数/秒) | 621 | 557 |
大量のリクエストとデータの転送時でも、Kinstaの方が高速な平均読み込み時間を記録しています。
LoadStormを使用した負荷テストは、30分(ピーク時は10分)にわたり、500~2,000名の仮想ユーザーで実施されています。結果は以下の通り。
| Kinsta | GoDaddy |
---|---|---|
リクエストの合計数 | 368,395 | 351,107 |
エラーの合計数 | 36 | 3,634 |
ピーク時のRPS(リクエスト/秒) | 272.85 | 285.92 |
平均RPS | 205.22 | 195.06 |
ピーク時の応答時間(ミリ秒) | 2,622 | 15,075 |
平均応答時間(ミリ秒) | 505 | 1,021 |
Kinstaの方がエラーの数が圧倒的に少なく、応答時間も短いことがわかります。このように、パフォーマンスにおいては、GoDaddyよりもKinstaの方が優勢であると言えます。
Kinstaの高性能ホスティング
2013年創業のKinstaは、現在アプリケーション&データベースホスティング、およびWordPress専用マネージドホスティングサービスをご提供しています。Google Cloud Platform最速のコンピューティング最適化(C2)マシンを採用。業界最高水準の速度、パフォーマンス、拡張性にこだわったプラットフォームが特徴です。受賞歴を誇る高性能コントロールパネル「MyKinsta」や、世界各地35箇所に設置されたデータセンター、無料のCDN、エンジニアによる24時間年中無休のサポート体制、高度なセキュリティ保持誓約など、サイト運営の負担を軽減する数々の機能を揃えています。
まとめ
世界を視野に入れたオンラインプレゼンスの確立や、さらなるサイト速度とパフォーマンスの最適化、あるいは年中無休の手厚い技術的なサポートを求めている方は、サイト運営の負担を軽減する、KinstaのWordPress専用マネージドホスティングをぜひお試しください。無料のサイト移行サービスで、他社からの乗り換えも非常に簡単です。
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